「G検定の勉強を始めたけど、”探索木”ってなんだか難しそう…」 「シラバスに出てくるけど、何から手をつければいいか分からない…」
そんな悩みをお持ちのあなたへ!
この記事を読めば、AIの基礎でありG検定でも重要な「探索木」について、基本的な考え方から、よく問われる探索アルゴリズム(DFSとBFS)の違い、さらにはG検定で押さえるべきポイントまで、まるっと理解できます!
読み終わる頃には、きっと「探索木の基本、説明できるかも!」「G検定の問題も怖くない!」と思えるはず。一緒に探索木の世界を探検していきましょう!
探索木ってそもそも何? ~AIの思考の「地図」~
まず、「探索木」を一言でいうと、「問題解決までの様々な道筋を、枝分かれで示した地図のようなもの」です。
例えば、迷路を解くときを想像してみてください。スタートからゴールまで、いくつもの分かれ道がありますよね? 行き止まりもあれば、ゴールにつながる道もある。どの道を選ぶか、試行錯誤しながら進んでいきます。
探索木は、まさにこの迷路の地図のように、
- スタート(初期状態)から
- 考えられる選択肢(行動)を枝分かれさせ
- 行きつく可能性のある結果(次の状態)
を、木の形(階層構造)で表現したものです。
AI、特に初期のAI(第一次AIブームの頃)は、パズルを解いたり、ゲームで次の手を考えたりする際に、この探索木を使って「どの道筋がゴールにたどり着くか」「どの手が一番有利か」をシステマチックに探していました。
【G検定ポイント】 探索木は、G検定シラバスの主要分野の一つである「AIの基本的な考え方 > 探索・推論」の根幹をなす概念です。ここを理解することが、AIの仕組みを理解する第一歩になります!
探索木のキホン構造 ~地図の読み方を覚えよう~
探索木という「地図」を読み解くために、基本的な用語(構成要素)を覚えましょう。
- ノード (Node): 木の丸い部分。問題における特定の状態を表します。「地図上の地点」のようなものです。
- エッジ (Edge): ノードとノードをつなぐ線。ある状態から別の状態への遷移や行動を表します。「地点をつなぐ道」です。
- ルート (Root): 木の一番上にある、探索の開始点となるノード。「スタート地点」ですね。
- リーフ (Leaf): それ以上枝分かれしない、木の末端にあるノード。「ゴール」または「行き止まり」にあたります。
- ブランチ (Branch): ルートからリーフまでつながる一連の経路。「スタートからゴール(または行き止まり)までの道のり」です。
例:ハノイの塔で見てみよう!
G検定のキーワードにもなっている「ハノイの塔」パズルで考えてみましょう。
CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=228623
- ノード: 3本の杭に円盤がどう配置されているか、その状態。
- エッジ: ある杭から別の杭へ、ルールに従って円盤を移動させること。
- ルート: パズル開始時の円盤の初期配置。
- リーフ: 全ての円盤が目的の杭に移動し終わったゴール状態、あるいはルール上もう動かせない状態。
【G検定ポイント】 これらの基本的な用語は、選択肢問題などで意味を問われる可能性があります。「ノードは状態」「エッジは遷移」のように、意味とセットで覚えておきましょう。
代表的な探索方法をマスター! ~DFSとBFSの違いを徹底比較~
探索木という地図が描けても、それをどう辿るか(探索するか)の戦略がなければゴールにはたどり着けません。その代表的な戦略が「深さ優先探索 (DFS)」と「幅優先探索 (BFS)」です。この二つの違いは、G検定でも頻出の超重要ポイント!
深さ優先探索 (DFS: Depth-First Search) ~とにかく深く!一直線に進む戦略~
- 特徴: まるで探検家のように、行けるところまで一つの道を突き進みます。行き止まり(リーフ)にぶつかったら、一つ手前の分岐点まで戻って(バックトラック)、別の道を探します。
- 動きのイメージ:
- 行ける道があれば、とにかく奥へ進む!
- 行き止まり or ゴールに到達。
- 一つ戻って、まだ調べていない別の道があればそちらへ進む。
- 全ての道を調べ終わるまで繰り返す。
- 使う道具: スタック (Stack) データ構造を使います。(後から入れたものを先に出す:Last-In, First-Out / LIFO)
- メリット:
- ゴールが深い場所にあれば、早く見つかる可能性がある。
- 必要なメモリ量が比較的少ない場合がある。
- デメリット:
- 最短経路を見つけられる保証はない。最初にたどり着いたゴールが、一番近いとは限らない。
- 非常に深い(あるいは無限の)経路にはまってしまう可能性がある。
- G検定での問われ方: 特徴(深く、バックトラック)、使うデータ構造(スタック)、メリット・デメリット(最短経路保証なしなど)。
幅優先探索 (BFS: Breadth-First Search) ~しらみつぶし!近いところから順番に探す戦略~
- 特徴: スタート地点に近いところから、同じ深さ(階層)のノードを全て調べてから、次の深さのノードへ進みます。ローラー作戦のように、横に広がりながら探索します。
- 動きのイメージ:
- まず、スタート地点のすぐ隣(深さ1)を全部調べる。
- 次に、深さ1の地点のすぐ隣(深さ2)を全部調べる。
- これを繰り返し、徐々に探索範囲を広げていく。
- 使う道具: キュー (Queue) データ構造を使います。(先に入れたものを先に出す:First-In, First-Out / FIFO)
- メリット:
- スタート地点から最もステップ数の少ない(=最短経路の)ゴールを必ず見つけられる。
- デメリット:
- 探索空間が広い場合、調べるべきノードを大量に記憶しておく必要があり、メモリを多く消費する可能性がある。
- G検定での問われ方: 特徴(レベルごと、横に広がる)、使うデータ構造(キュー)、メリット(最短経路が見つかる)、デメリット(メモリ消費)。
DFS vs BFS 比較まとめ
特徴 | 深さ優先探索 (DFS) | 幅優先探索 (BFS) |
探索順序 | 縦に深く、バックトラック | 横に広く、レベルごと |
最短経路保証 | なし | あり (ステップ数) |
データ構造 | スタック (LIFO) | キュー (FIFO) |
メモリ使用量 | 少ない傾向 | 多い傾向 |
イメージ | 探検家 | ローラー作戦 |
【G検定攻略アドバイス】 DFSとBFSの違いは、G検定の超頻出テーマです! それぞれの探索の仕方(深さ優先か幅優先か)、使うデータ構造(スタックかキューか)、そして最短経路を見つけられるか否か、この3点をしっかり区別して覚えましょう! ゴロ合わせなど、自分なりに覚えやすい方法を見つけるのもおすすめです。(例: 「深い(DFS)スタック」「広い(BFS)急(キュー)いで最短」など)
他にもある!G検定で知っておきたい探索木関連トピック
DFSとBFS以外にも、G検定のシラバスに関連する探索木やアルゴリズムがあります。キーワードと簡単な意味を押さえておきましょう!
- 二分探索木 (BST: Binary Search Tree):
- どんなもの?: ノードの値の大小関係に基づいて、左の子は親より小さく、右の子は親より大きくなるように整理された木。
- なぜ便利?: データを効率的に検索、追加、削除できる(平均的に速い)。
- 注意点: データの入れ方によっては木のバランスが崩れて、効率が悪くなることも。
- G検定ポイント: 効率的なデータ構造の一つとして、名前と「データを大小で整理する」という特徴を知っておきましょう。
- ゲームと探索木 (Mini-Max法, αβ法):
- どう使う?: チェスやオセロなどのゲームで、AIが「次の手」を考えるときに使います。数手先まで読んで、自分にとって最も有利で、相手にとって最も不利な手を選ぼうとします。
- キーワード解説:
- Mini-Max法: 自分の利益を最大(Max)に、相手の利益を最小(Min)にする手を探す基本戦略。
- αβ(アルファベータ)法: Mini-Max法の探索を効率化したもの。「どうせこの手は選ばないな」と分かった枝(ブランチ)は、それ以上探索しない(枝刈り)賢い方法。
- G検定ポイント: ゲームAIの基本的な考え方として、手法名(特にαβ法)と「先読み」「枝刈り」といったキーワードを結びつけて理解しましょう。
- モンテカルロ木探索 (MCTS: Monte Carlo Tree Search):
- どんなもの?: 特に囲碁のように選択肢が膨大なゲームで強力な手法。たくさんのランダムなシミュレーション(試し打ち)を行い、「どの手が有望そうか」を統計的に判断して木を成長させていく。
- キーワード解説:
- モンテカルロ法: ランダムな試行を繰り返して、確率や期待値を推定する手法全般のこと。
- MCTSの4ステップ: 簡単に言うと「良さそうな枝を選ぶ(選択) → 新しい手を試す(展開) → 最後までランダムにプレイ(シミュレーション) → 結果をフィードバック(更新)」を繰り返す。
- G検定ポイント: AlphaGoなど、強力な囲碁AIで使われた手法として有名。「モンテカルロ法」「シミュレーション」「囲碁」といったキーワードと関連付けて名前を知っておきましょう。
- ロボット行動計画 (STRIPS):
- どう使う?: ロボットが目標を達成するために、どんな順番で行動すればよいかを計画する古典的な方法。
- キーワード解説: STRIPSは、ロボットの行動を「この行動をするための条件(前提条件)」と「この行動をした結果どうなるか(結果)」で定義する考え方。
- G検定ポイント: AIプランニング(計画立案)の分野で使われる古典的な手法として、名前と用途を知っておきましょう。
【G検定出題予想】 これらの応用例については、
- 「〇〇(手法名)は、主に△△(分野)で用いられる」のような組み合わせを問う正誤問題
- 各手法の簡単な特徴(キーワード)を問う選択肢問題 などが考えられます。まずは、太字のキーワードとその簡単な意味を結びつけて覚えることから始めましょう!
探索木のメリット・デメリット ~万能じゃない?注意点も知っておこう~
探索木は非常に強力な考え方ですが、万能ではありません。メリットとデメリットを知っておくことも大切です。
メリット:
- 体系的に探せる: 全ての可能性を網羅的に(あるいはそれに近く)探索できる。
- 最適な解が見つかることも: BFSのように、特定の条件下で最適な解(最短経路など)を見つけられるアルゴリズムがある。
- 考え方が直感的: 問題解決のプロセスを視覚的に表現しやすく、理解しやすい。
デメリット:
- 組み合わせ爆発: 問題が複雑になると、探索すべき経路(枝分かれ)の数が指数関数的に増大し、計算量が爆発的に増えてしまうことがある。これが最大の課題!
- 計算コスト: 組み合わせ爆発が起きると、計算に非常に時間がかかったり、大量のメモリが必要になったりする。
- 戦略選びが重要: 問題の性質に合わない探索戦略(DFS/BFSなど)を選ぶと、効率が悪くなったり、現実的な時間で解が見つからなかったりする。
【G検定攻略アドバイス】 探索木の限界(特に「組み合わせ爆発」)も理解しておくことは重要です。なぜαβ法(枝刈り)やMCTSのような効率化の手法が必要なのか、その背景にもつながります。メリットとデメリットをセットで押さえておきましょう。
まとめ ~探索木をマスターしてG検定を突破しよう!~
お疲れ様でした!今回は、G検定合格に欠かせない「探索木」について、基本から応用、そして対策ポイントまで解説しました。
この記事で学んだ重要ポイント:
- 探索木は、問題解決の道筋を示す「AIの地図」。
- ノード(状態)、エッジ(遷移)、ルート(開始)、リーフ(終端)などの基本用語を理解しよう。
- DFS(深さ優先)とBFS(幅優先)の違いは超重要!特徴、データ構造(スタック/キュー)、最短経路保証の有無を覚えよう。
- BST、Mini-Max/αβ法、MCTS、STRIPSなど、関連キーワードも押さえておこう。
- メリットだけでなく、「組み合わせ爆発」というデメリット(限界)も知っておこう。
探索木は、一見難しそうに感じるかもしれませんが、基本的な考え方と代表的なアルゴリズムの特徴を押さえれば、決して怖くありません。むしろ、G検定の得点源にできる分野です!
この記事が、あなたのG検定合格への道のりを少しでも照らす「地図」となれたら嬉しいです。ぜひ、繰り返し読んで、探索木の知識を自分のものにしてくださいね。応援しています!
(オプション) さらに学習を進めるなら…
- 簡単な迷路問題を、紙の上でDFSとBFSで実際に辿ってみる。
- G検定の過去問や問題集で、探索木関連の問題にチャレンジしてみる。
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