釣りと密漁の境界線は?「知らなかった」で家庭が壊れる前に知るべき海のルール

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「パパ、このカニさん持って帰ってもいい?」「ママ、この綺麗な貝、おうちに飾りたい!」

太陽の下、子供たちの楽しそうな声が響く週末の磯遊び。家族にとって最高の思い出になるはずの時間が、ほんの少しの「知らなかった」が原因で、悪夢に変わってしまう可能性があることをご存知でしょうか。実は、気軽に採ったその貝が、法律で厳しく罰せられる「密漁」にあたるケースが後を絶たないのです。

「ちょっとくらい、大丈夫だろう」そんな軽い気持ちが、最高で3,000万円もの罰金や、前科という重すぎる代償につながるかもしれません。この記事は、単に「密漁はダメだ」と禁止するためだけのものじゃありません。正しい知識という“お守り”を手にすることで、皆さんが心から安心して海を楽しみ、お子さんに「ルールを守るかっこいい姿」を見せるためのお手伝いをします。

複雑な海のルールを3分で腹落ちさせ、週末のレジャーを最高の体験に変えるための知識を、これから分かりやすく解説していきます。

目次

なぜ今、「密漁」があなたの家庭を脅かすのか?

【画像指示:楽しそうな家族が磯遊びをしているが、その片隅に警告標識が少し見えるような構図の写真。Alt:釣りと密漁の違いを意識せずに磯遊びを楽しむ家族】

「密漁」と聞くと、船で組織的に行われる大規模なものを想像するかもしれません。しかし、水産庁のデータによれば、漁業者以外による密漁の検挙件数は依然として高い水準にあり、その多くがレジャー客による「うっかり密漁」なのです (出典: 水産庁, 漁業法等の一部を改正する等の法律)。

特に最近では、SNSに投稿した写真が意図せず密漁の証拠になってしまうケースも増えています。悪気なく「今日の収穫!」とアワビやサザエの写真をアップした結果、海上保安庁などから連絡が来る、なんてことも現実に起きています。

脅かすわけではありません。しかし、楽しいはずのレジャーが、たった一つの行動で「犯罪」になってしまうリスクは、すぐ隣にあるのです。だからこそ今、家族を守るために、釣りと密漁の明確な違いを知ることが重要になっています。

釣りと密漁、その違いは「漁業権」の有無

では、いったいどこからが「密漁」になるのでしょうか。その運命を分けるのが**「漁業権(ぎょぎょうけん)」**というキーワードです。

そもそも「漁業権」って何?子供にもわかる海の”畑”の話

「漁業権」なんて聞くと、なんだか難しそうですよね。でも、こう考えてみてください。

海の中には、漁師さんたちが生活のために大切に管理している“畑”がある。

「漁業権とは」を海の中の畑に例えたイラスト

農家さんが畑で野菜を育てるように、漁師さんたちは特定の海域で、稚貝をまいたり、海藻を育てたりして、何年もかけてアワビやコンブなどの水産資源を管理しています。この「漁師さんたちが仕事として魚や貝を獲る権利」が漁業権です。

この権利が設定されている場所で、許可なくアワビやサザエ、ハマグリなどを採ってしまうと、それは農家さんの畑から勝手に野菜を盗むのと同じこと。だからこそ、「密漁」という犯罪になってしまうのです。

写真で見る!これはセーフ?アウト?うっかり密漁しやすい生き物たち

特に注意が必要なのが、岩場にいる貝類です。これらは「採捕(さいほ)」、つまり獲ること自体が漁業権の対象になっている場合がほとんどです。

【要注意!採ってはいけない貝の代表例】

  • アワビ、トコブシ: 見た目は似ていますが、どちらもNG。岩に強力にくっついています。
  • サザエ: トゲトゲの殻が特徴的。これも代表的な密漁の対象です。
  • ハマグリ、アサリ: 潮干狩り場として料金を設定している場所以外の場所で、許可なく本格的な道具(大きな熊手など)を使って採ると密漁になることがあります。
  • 伊勢海老、タコ: これらも漁業権の対象となっている地域がほとんどです。

一方で、竿釣りや、子供が遊ぶような小さな網で小魚やカニを捕まえる程度なら、ほとんどの場合問題ありません。しかし、これも地域によってルールが異なります

「知らなかった」では済まされない!密漁の重すぎる罰金と代償

もし、うっかり密漁をしてしまうと、どれだけ重い罰が待っているのでしょうか。2020年に改正された漁業法で、罰則は大幅に強化されました。

違反行為の種類根拠法最高罰則例えると…
特定水産動植物の密漁
(アワビ・ナマコ・シラスウナギ)
漁業法3年以下の懲役 または 3,000万円以下の罰金高級車が買える、家が建つレベル
漁業権の侵害
(サザエ・ハマグリ・コンブなど)
漁業法100万円以下の罰金最新のPCや家族旅行が余裕でできる
共同漁業権の侵害
(ウニ・エビなど)
漁業法100万円以下の罰金同上
都道府県の規則違反
(使用禁止の漁具、体長制限など)
漁業調整規則6ヶ月以下の懲役 または 10万円以下の罰金最新ゲーム機が買える

(出典:水産庁ウェブサイトより作成)

「家族で食べる分だけだから…」という言い訳は通用しません。たった1個のアワビでも、法律上は罰せられる可能性があるのです。罰金だけでなく、逮捕されて報道されれば、社会的信用も失いかねません。家族の未来を守るためにも、絶対に「うっかり」では済まされないのです。

出発前に親子でできる自由研究!地域で違う海のルールを調べよう

「じゃあ、うちの近所の海はどうなの?」
そう思ったあなた、素晴らしいです!その疑問こそが、家族をリスクから守る第一歩です。海のルールは、全国一律ではありません。都道府県ごとに「漁業調整規則」という独自のルールが定められています。

釣りと密漁の違いを理解するため、地域のルールをスマホで調べる

出発前に、お子さんと一緒に「海の自由研究」をしてみませんか?

【調べ方ステップ】

  1. 検索する: スマホやPCで「〇〇県 漁業調整規則」と検索します。(例:「神奈川県 漁業調整規則」)
  2. 確認する: 県の水産課などのページが出てきます。少し難しい言葉が並んでいますが、「採ってはいけない貝の種類」「使ってはいけない道具」「魚の大きさの制限」などの項目を探してみましょう。
  3. 分からなければ聞く: どうしても分からない場合は、看板を探したり、近くの漁協や釣具店で「ここで子供と遊ぶのですが、採ってはいけないものはありますか?」と素直に聞くのが一番確実です。

この一手間が、最高の思い出作りにつながります。

ルールを守るパパ・ママは、最高にかっこいい!

ここまでリスクの話を多くしてきましたが、一番伝えたいのはポジティブなメッセージです。

海のルールは、私たちを縛るためのものではありません。未来の子供たちも、そのまた子供たちも、ずっと豊かな海で遊べるようにするための、みんなの約束事なのです。

漁師さんたちが生活をかけて守り育てている海の幸に敬意を払い、「これは獲っていいんだよ」「こっちは海の畑だから、見るだけにしておこうね」と子供に教える姿は、何よりもかっこいいお手本です。命の尊さや社会のルールを、身をもって教える最高の食育にもなります。

ルールの中で楽しむ知恵を持つことこそが、本当の意味で「海を楽しみ尽くす」ことにつながるのです。

にこいちの視点:禁止リストではなく「楽しむための許可証」と考えよう

法律やルールと聞くと、つい「あれもダメ、これもダメ」という禁止事項のリストのように感じてしまいますよね。でも、私はこう捉え直すことを提案します。

海のルールは、「安全と未来の楽しみを保証してくれる許可証」だと。

この許可証(ルール)があるからこそ、私たちは安心してレジャーを楽しめるし、来年も再来年も、美しい海と豊かな海の幸に出会えることが約束されます。ルールを知り、守ることは、その素晴らしい権利を自ら行使する、主体的でポジティブな行為なのです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 釣った魚や採った貝を、その場で食べる(バーベキューなど)のはOK?
A. 漁業権の対象となっている貝類などを採捕した時点で密漁とみなされるため、その場で食べても法律違反になります。竿釣りで釣れた魚を食べるのは基本的に問題ありませんが、地域によっては特定の魚種に大きさの制限(リリースサイズ)が設けられている場合があるので、やはり地域のルールの確認が大切です。

Q2. 子供が採った小さなカニやヤドカリもダメですか?
A. アワビやサザエといった漁業権の対象でなければ、小さなカニやヤドカリを観察して逃がしてあげる分には、多くの場合問題ありません。しかし、これも都道府県の規則で特定の種が保護されている場合があります。持ち帰る際は、その生き物が本当に地元で採って良いものか、一度立ち止まって考える習慣をつけるのが良いでしょう。

Q3. 密漁らしき行為を見かけたらどうすればいいですか?
A. 直接注意するのはトラブルの元になる可能性があり危険です。すぐに海上保安庁の緊急通報用電話番号「118番」に通報してください。場所、時間、密漁者の特徴などを伝えられる範囲で伝えましょう。それが未来の海を守る勇気ある行動になります。

まとめ & 家族でできる3つのアクション

最後に、この記事の要点を振り返り、今日からできることを提案します。

  • 要点1:海の幸は「タダ」じゃない。 海には漁師さんたちの「畑(漁業権)」があり、勝手に獲ると犯罪になる。
  • 要点2:「知らなかった」は通用しない。 密漁の罰則は非常に重く、最高で3,000万円の罰金が科されることもある。
  • 要点3:ルールは地域で違う。 出かける前に「〇〇県 漁業調整規則」で検索する一手間が家族を守る。

この知識を武器に、ぜひ次の3つのアクションを試してみてください。

  • ① 今すぐできること: この記事をパートナーや家族と共有し、「こんなルールがあるんだって」と話してみましょう。そして、水産庁の密漁対策ページをスマホでブックマークしておきましょう。
  • ② 次の週末までに: 次に行く予定の海や川の名前と「漁業調整規則」をセットで検索し、親子でルールを予習する「自由研究」をしてみましょう。
  • ③ 長期的な視点: 子供と一緒に、海の環境問題や資源について学べる水族館のイベントや、地域の漁協が開催する地引網体験などに参加してみましょう。ルールがなぜ大切なのか、体で理解できます。

正しい知識は、あなたとあなたの大切な家族を守る最強の盾になります。ルールを守って、安全で楽しい、最高の思い出を作ってくださいね!


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