まだ紙の資料で消耗してるの?医療現場の「時差」をゼロにする、たった1つのDX仕事術

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月初の3日間を「コピペ作業」に捧げるのは、もうやめにしませんか?

毎月の経営会議。あなたの胃がキリキリする原因を知っています。

ズラリと並んだ理事や部長陣。そして飛んでくる、鋭利な刃物のような質問。

「この病棟のリハビリ単位数、先月より落ちてるけどなんで?」

「あ、それは…スタッフの休暇が重なりまして…」

「じゃあ、AチームとBチームの稼働率の比較はある?」

「(…そこまでは集計してない…)すみません、持ち帰って再集計します」

「持ち帰ります」と言った瞬間、その会議の熱は死にます。

あなたは現場を知り尽くした理学療法士(PT)であり、会社の未来を背負うDX担当のはずです。

それなのに、高機能な「ヒューマン・マクロ(人間自動化プログラム)」になってしまっていませんか?

一生懸命Excelを叩いて作ったその資料。会議で5分表示されて、その後どうなりますか?

サーバーの奥底に保存され、二度と開かれない。「死んだデータ」の墓場行きです。

今日でその不毛なサイクルを断ち切りましょう。

レポートは「作る」ものではなく、「置いておく(Publish)」ものです。

目次

なぜ「紙・Excelの報告書」は経営会議で通用しないのか?

理由は3つあります。

  1. 鮮度が落ちる(腐った魚)
    医療・介護の現場は24時間動いています。会議の資料が完成した時点で、そのデータはすでに数日前の「過去」のもの。腐った魚を経営陣というグルメな客に出してはいけません。
  2. 対話できない(一方通行)
    「ここを深掘りしたい」と言われても、紙やPDFではドリルダウンできません。経営層が知りたいのは「結果」ではなく、その裏にある「原因」です。
  3. あなたの時間が死ぬ(コスト)
    カルテシステムからCSVを吐き出し、整形する作業に9割の力を使い、肝心の「この数字から何が言えるか(考察)」がおろそかになります。

解決策:Googleがくれた最強の武器「Looker Studio」

「BIツール? 高そうだし、ウチの病院じゃ無理でしょ」

そう思うかもしれませんが、Googleアカウントさえあれば無料で使える最強のツールがあります。

Looker Studio(注:Lookerとは違います) です。

これを使えば、

  • 完全自動化: スプレッドシート(元データ)を更新すれば、グラフも勝手に変わる。
  • 共有が楽: URLを一本送るだけ。院長も理事長も、スマホでいつでも見れる。
  • インタラクティブ: 見る人が自分で「病棟」や「期間」を選べる。

【実話】経営会議が「尋問」から「作戦会議」に変わった日

私がこれを初めて経営会議で披露した時のこと。

スクリーンに映し出されたダッシュボードを見て、普段は厳しい院長や事務長の第一声はこうでした。

「え、これ、自分でいじれるの?」

驚きというよりは、「手軽さへの拍子抜け」と「興奮」が混ざったような顔でした。

これまで、院長が「整形外科チームだけの推移が見たい」と思っても、私に依頼して数日待つ必要がありました。

しかし私はその場で、何もせず画面を指差してこう言ったのです。

「院長、そのプルダウンで『整形チーム』を選んでみてください」

院長がおそるおそるマウスを動かし、クリックする。グラフがぐいんと動く。

「おお、整形は意外と単位数取れてるな! じゃあ、脳外チームはどうだ?」

これが「分析の民主化」です。 報告を受ける立場から、データで「遊ぶ」立場に変わった瞬間でした。

議論の質も劇的に変わりました。

「集計合ってる?」という不毛な確認がなくなり、

「(フィルタを操作して)なるほど、回復期病棟のFIM(日常生活の評価基準)利得が下がってるのは、若手の担当患者が多いからか」

「じゃあ、ベテランとペアにする教育体制に変えよう」

「過去の確認」ではなく、「未来のアクション」に全時間を費やせるようになったのです。

しかし、初心者が必ず陥る罠がある

「よし、ダッシュボードを作ろう!」といって、手持ちのデータを全部グラフにして並べる人がいます。

実は私もやらかしました。

名付けて、「クリスマスツリー・ダッシュボード事件」

張り切って、全スタッフの単位数、疾患別内訳、FIM推移などを、カラフルな色使いで一つの画面に詰め込みました。

結果、何が起きたか?

「目がチカチカして、どこが問題なのか3秒で分からん」

一刀両断されました。それは誰も見ない「データのゴミ屋敷」でした。

経営層に刺さるダッシュボード「鉄の掟」

上司が毎日アクセスしたくなる「神ダッシュボード」には、明確な設計ルールがあります。

掟1: 「3秒ルール」と「条件付き書式」

「パッと見て、3秒で『今の経営状態が良いか悪いか』が分かる」

これを目指してください。

ここで使うべき神機能が「スコアカード × 条件付き書式」です。

  • Bad: 細かい数字の表がズラリと並んでいる。
  • Good: 画面の一番上に、今月の目標単位数に対する達成率がデカデカと表示され、未達なら「赤」、達成なら「緑」に自動で色が変わる。

経営層は忙しいです。「赤(異常値)」が出ている箇所だけを見ればいい状態を作ってあげる。これだけで「こいつ、分かってるな」と思われます。

掟2: 「セキュリティ懸念」を黙らせる殺し文句

導入時、必ず「患者情報は大丈夫か?」という声が上がります。

もちろん、個人名はイニシャル化するなど配慮は必要ですが、反対勢力にはこう伝えてください。

「Excelの数式ミスやコピペミスで、誤った経営判断をするリスクの方が怖くないですか?」

「このツールは元データ直結です。『人為的ミス』という最大のリスクを排除するために、これが必要なんです

まとめ:あなたは「計算係」を卒業し、真の「DX担当」になる

Step 3で、あなたは最大の敵である「ルーチンワーク(定期報告)」を自動化しました。

これにより、月初の3日間、約20時間の「考えるための時間」があなたの手元に残ります。

私はその空いた時間で何をしたか?

優雅にコーヒー…も飲みましたが(笑)、「異業種の成功事例リサーチ(TTP)」に充てました。

「他業界のDXはどうなっている?」「この仕組み、リハビリに応用できないか?」

計算係から解放され、「自分の頭脳が、そのまま組織の成長に直結している」という実感。

これこそが、DX担当としての本当の「やりがい」です。

さあ、データもツールも揃いました。あとは「解くべき課題」を見つけるだけ。

次回、「Step 4:課題発見力を鍛えるTTP(徹底的にパクる)思考」で、このロードマップは完結します。

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