書籍『好きを言語化する技術』の解説(前編)―“借り物じゃない言葉”で語るための下ごしらえ

PR表記

※アフィリエイト広告を利用しています

どうも、にこいちです。
この前映画「怪物」を見てきました!とてもやばい作品でした。ただこれをやばいの一言でしか表現できない自分にがっかりしました。
SNSが当たり前のいま、「尊い」「神」「やばい」で済ませたくなる気持ち、めちゃ分かります。でも、それだとあなたの“好き”が誰かの言葉に塗りつぶされていく。本書のコアはここにあります。前編では、自分の言葉で語る基礎体力をつくるための考え方とプロセスを、実務で使える形に整理しました。

目次

本書の核:自分の“好き”は自分の言葉で守る

  • クリシェ(ありきたり)を外す:便利な常套句は、感情の解像度を下げます。
  • もやもやを急いで片付けない:ネガティブ・ケイパビリティ=“結論保留力”が感性を育てる。
  • 他人の強い言葉に同調しない:SNSの“声量”は真実度と無関係。自分の観測事実に立ち戻る。

フレームワーク①:LIKEノート法(3分で下書き)

自分の“好き”を借りずに書くためのミニ手順。レビュー、推し語り、勉強ログに全部使えます。

L: List 具体例を列挙(30秒)

  • 例(ガジェット):ベゼルが薄い/触覚フィードバックが繊細/ノイズ抑制が自然
  • 例(ゲーム):2面ボス前の減光演出/左チャンネルだけ鳴る効果音 など

I: Identify 感情に名前をつける(30秒)

  • 驚き、没入、安堵、緊張、親近感、身体性…名詞で名づけるとぶれにくい。

K: Know-why なぜそう感じた?(90秒)

  • WHERE(どの場面)/HOW(どんな仕掛け)/WHY(なぜ刺さった)
  • 例:「減光演出(WHERE)で視界が狭まり(HOW)“追い詰められる快感”(WHY)が生まれた」

E: Evidence 証拠を1つ(30秒)

  • 写真・秒数・型番・スクショ・セリフ。再現可能な印を必ず残す。

1文テンプレ
「(作品・製品名)の(具体箇所)が、(感情)を生んだ。なぜなら、(WHERE/HOW/WHY)で、(証拠)があるから。」

フレームワーク②:反クリシェ置換表(Before→After)

“便利語”を意味語に置換して解像度を上げる。

  • 尊い → 何が尊い?「音の余韻が0.3秒だけ長く、呼吸が合う感じが尊い」
  • 神 → 機能名+指標「被写体検出AFが暗所でも追従(EV0付近)=“頼れる”」
  • エモい → 時間・身体・文脈「午前4時の駅前で、足音だけが残る空気が“寂しさを肯定”してくれた」
  • やばい → 状態変化「低域が膨らまず、中域が前に1歩出る。ボーカルが1m→70cmに近づく」

チェック:「名詞が増えたか?」「再現できる手がかりが入ったか?

習慣化のコツ:3カラム・メモ(90秒×日)

ノートを3列にして毎日1トピックだけ書く。

  1. Scene(見た・聞いた・触った事実)
  2. Feeling(名詞で感情)
  3. Why(Where/How/Whyで理由づけ)

例(イヤホン試聴)
Scene:図書館でQ30を中音量で。空調音は薄れ、キーボードは残る。
Feeling:集中の安堵
Why:ANCが低周波だけ抑制=人の声は残り、危険察知ができる。

ネガティブ・ケイパビリティ:結論を遅らせる技術

  • 「まだ言葉にならない」を状態として許可する。
  • 48時間ルール:初日メモ=断片、翌日読み返し、3日目に要約
  • もやもやは素材。拙速に正解へ寄せるほど個性が消える。

ミニワーク

  1. 今日の“未消化メモ”を30秒で箇条書き
  2. 「他人の言い方に寄ってないか?」を自問
  3. 48時間スリープしてから再編集

他人の言葉に流されないための“防波堤

  • 時限SNS断食:インプット前にXやレビューを見ない。体験→自分メモ→他人の順番厳守。
  • 温度感ダイヤル:強い断言を見たら、自分の温度を0〜5で採点。他人の“5”に引っ張られない。
  • 観測事実ファースト:「私はこの条件でこう感じた」までを自分の島として守る。

すぐにSNSで他の人の意見が確認できてしまう今だからこそ、絶対に自分第一で行きましょ。

そのまま使えるテンプレ(保存版)

① 60秒レビュー(X/Threads向け)

「(名詞)のおかげで(感情)。(WHERE/HOW)が効いて、(再現手がかり)。#好きの言語化」

② 300字ブログ導入

「“(クリシェ)”では言い足りない。私が(作品/製品)で一番動いたのは(具体)。なぜなら(WHY)。この“1点”から、私の“好き”の輪郭が見えてくる。」

③ 比較の型(A/B)

「Aは(具体特性)で(感情)、Bは(具体特性)で(別の感情)。私は(利用シーン)ではA、(別シーン)ではBを選ぶ根拠がある。」

演習(前編の宿題:3分×3本)

  1. ガジェット:今使ってるデバイスでLIKEノートを1本
  2. ゲーム/音楽:最新プレイ/曲から“1秒を切り取る”レビュー
  3. 日常:通勤や家事の中の“好き”を1つ名詞化(例:食洗機の終了音=切り替えの安心

仕上げは反クリシェ置換Evidence追加60秒レビューに圧縮の順で。

まとめ(前編)

  • 細部はオリジナリティの源泉。小さく、具体に降ろす。
  • 感情は名詞で固定。揺さぶられた“状態”に名前をつける。
  • 結論は急がない。もやもやは素材。48時間寝かせる。
  • 他人は後回し。自分の観測事実が、あなたの言葉のベース。

最後に質問です:
今日の“好き”を1つ、LIKEノート法で30秒だけ書くとしたら?
その1行から、あなたの言葉づくりを一緒に進めましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次