NumPy配列の基本操作まとめ!データ型・複製・転置・変形を徹底解説

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どうもニコイチです。Pythonには、科学技術計算やデータ分析を効率的に行うためのライブラリが数多く存在します。その中でも、NumPy(Numerical Python)は、数値計算を高速かつ効率的に行うための強力なライブラリとして知られています。

以前の記事では、以下の内容について解説しました:

  1. NumPyとは?
    • NumPyが数値計算やデータ処理でなぜ便利なのか。
    • NumPyを使用することで、Python標準のリストに比べて高速な計算が可能であること。
  2. NumPy配列(ndarray)の特徴とリストとの違い
    • NumPy配列は、固定サイズかつ均一なデータ型を持つ一方で、Pythonリストは異なるデータ型を混在させることが可能。
    • NumPy配列が多次元のデータを効率よく操作できる理由。
  3. 配列の生成
    • 手動で配列を作成する方法(例: np.array)から、np.zerosnp.onesといった関数を用いた便利な配列生成方法。
  4. 乱数の生成
    • NumPyのnp.randomモジュールを用いた乱数生成方法。
    • 一様分布や正規分布に基づく乱数の生成例。

これらの内容を通して、NumPyの基本的な使い方や便利さについて学んでいただけたかと思います。


今回の記事のテーマ

今回は、NumPy配列をさらに使いこなすために、以下のトピックについて解説します:

  • データ型の確認と変更:配列に格納されるデータの型を確認し、必要に応じて変換する方法を学びます。
  • 配列の複製:データを複製する方法を理解し、コピーと参照の違いを把握します。
  • 配列の変形:配列の転置、平坦化、そして形状の変更を実際に試してみましょう。

これらの操作を通じて、NumPy配列をより柔軟に扱えるようになることを目指します。それでは、さっそく学習を進めていきましょう!

承知しました!次は「NumPy配列のデータ型操作」の章を執筆します。


目次

NumPy配列のデータ型操作

NumPyでは、配列に格納されるデータは**一つのデータ型(dtype)**に統一されています。この特性により、メモリ効率や処理速度が大幅に向上します。一方で、用途に応じてデータ型を変更したい場合もあります。本章では、NumPy配列のデータ型の確認方法や変更方法について解説します。


主なデータ型(dtype)の種類

NumPyがサポートするデータ型は以下のようなものがあります:

データ型説明
int64符号あり64ビット整数型
uint64符号なし64ビット整数型
float64倍精度浮動小数点型(符号部1ビット、指数部11ビット、仮数部52ビット)
complex64複素数(実部・虚部がそれぞれfloat32)
boolブール型(TrueまたはFalse
unicodeUnicode文字列
objectPythonオブジェクト型

これらのデータ型は、配列がどのようなデータを扱うのかを明確にするために必要不可欠です。


データ型の確認

配列のデータ型を確認するには、dtype属性を使用します。以下のコードでその使い方を確認しましょう。

import numpy as np

# 配列の生成
arr = np.random.rand(5)  # 0から1の間の乱数で配列を生成

# 配列のデータ型を確認
print(arr.dtype)

このコードでは、arrという配列が生成され、そのデータ型がdtypeによって出力されます。デフォルトではNumPyの乱数は倍精度浮動小数点(float64)型になります。


データ型の変更

NumPyでは、配列のデータ型をastypeメソッドを使って変更できます。以下のコードで具体例を示します:

# 配列のデータ型を整数型(int)に変更
arr_int = arr.astype(int)

# 変更後のデータ型を確認
print(arr_int.dtype)

このコードでは、元の配列arrのデータ型をint型に変換して、新しい配列arr_intに代入しています。このように、元の配列を変更せず、新しい配列を作成するのがastypeの特徴です。


【実践例】データ型の確認と変更

それでは、以下の例題を通して、実際にデータ型の操作を確認してみましょう。

問題:

  1. 乱数(0~1の範囲の小数値)を含む配列arr1を生成してください。
  2. 配列arr1のデータ型を確認してください。
  3. 配列arr1を整数型(int)に変換し、新しい配列arr2に代入してください。
  4. arr2のデータ型を確認してください。
解答例
import numpy as np

# Step 1: 乱数を含む配列を生成
arr1 = np.random.rand(5)

# Step 2: 配列のデータ型を確認
print("arr1のデータ型:", arr1.dtype)

# Step 3: データ型をint型に変換
arr2 = arr1.astype(int)

# Step 4: 変換後のデータ型を確認
print("arr2のデータ型:", arr2.dtype)

# 結果表示
print("arr1:", arr1)
print("arr2:", arr2)

実行結果:

arr1のデータ型: float64
arr2のデータ型: int64
arr1: [0.58083612 0.27113542 0.82894633 0.35615015 0.78318055]
arr2: [0 0 0 0 0]

解説

  • 配列arr1は乱数で構成されており、データ型はfloat64です。
  • astype(int)を使用すると、小数部分が切り捨てられ、整数型の配列が作成されます(例: 0.58083612 → 0)。

注意点:型変換時のデータの変化

データ型を変更する際、情報が失われる場合があります。例えば、小数型(float64)を整数型(int64)に変換すると小数部分が切り捨てられます。また、データ型の範囲外の値を変換しようとするとエラーや予期しない結果になることがあります。


配列を複製する方法

NumPyでは、配列を複製する際にいくつかの方法があります。それぞれの方法には特徴があり、用途に応じて使い分ける必要があります。本章では、配列を複製する3つの方法とその違いを解説します。


配列複製の3つの方法

  1. 新しい変数への代入(参照渡し)
    配列を新しい変数に代入すると、元の配列への参照がコピーされます。これにより、新しい変数を通じて元の配列にアクセスできるようになりますが、複製元と複製後のどちらかを変更すると、もう一方にも影響します。
  2. view()関数を使った複製
    view()を使うと、元の配列を基にした新しい配列が作成されます。新しい配列は元の配列のデータを共有しています。そのため、どちらかの配列を変更すると、もう一方の配列にも影響します。ただし、形状の変更やデータ型の変更は互いに影響を与えません。
  3. copy()関数を使った複製
    copy()を使うと、元の配列のデータが完全に独立した新しい配列が作成されます。これにより、複製元と複製後の配列は完全に独立しており、片方を変更してももう一方には影響しません。

【実践例】3つの方法を比較

以下のコードで、それぞれの複製方法の動作を比較してみましょう。

実践コード

import numpy as np

# 元の配列を作成
arr = np.array([1, 2, 3])

# 新しい変数への代入(参照渡し)
new_arr = arr

# view()による複製
view_arr = arr.view()

# copy()による複製
copy_arr = arr.copy()

# 元の配列と複製された配列を表示
print("元の配列:", arr)
print("参照渡し:", new_arr)
print("view複製:", view_arr)
print("copy複製:", copy_arr)

# 変更を加える
print("-----")
view_arr[0] = 10  # viewで複製された配列を変更
print("view_arr[0]を10に変更")
print("元の配列:", arr)
print("参照渡し:", new_arr)
print("view複製:", view_arr)
print("copy複製:", copy_arr)

print("-----")
copy_arr[0] = 100  # copyで複製された配列を変更
print("copy_arr[0]を100に変更")
print("元の配列:", arr)
print("参照渡し:", new_arr)
print("view複製:", view_arr)
print("copy複製:", copy_arr)

実行結果

元の配列: [1 2 3]
参照渡し: [1 2 3]
view複製: [1 2 3]
copy複製: [1 2 3]
-----
view_arr[0]を10に変更
元の配列: [10  2  3]
参照渡し: [10  2  3]
view複製: [10  2  3]
copy複製: [1 2 3]
-----
copy_arr[0]を100に変更
元の配列: [10  2  3]
参照渡し: [10  2  3]
view複製: [10  2  3]
copy複製: [100   2   3]

解説:複製方法の違い

1. 新しい変数への代入(参照渡し)

new_arr = arrのように単に代入する場合、元の配列と新しい変数は同じデータを共有します。そのため、どちらかの配列を変更すると、もう一方にも影響が及びます。

2. view()による複製

view()で複製された配列も元のデータを共有します。ただし、形状やデータ型の変更は独立しています。このため、共有されたデータ部分を変更すると両者に影響を与えますが、構造の変更は影響しません。

3. copy()による複製

copy()で複製された配列は、元の配列とは完全に独立しています。そのため、元の配列またはコピーされた配列を変更しても、互いに影響を与えることはありません。


使い分けのポイント

  • データを独立して扱いたい場合copy()を使う。
  • 元のデータを参照しながら、軽量なコピーが必要な場合view()を使う。
  • 配列のコピーが不要で、単に別の名前でアクセスしたい場合:参照渡しで十分。

配列の変形(1): 転置

多次元配列では、データの形状を変える操作が頻繁に行われます。その中でも「転置」は、行列の行と列を入れ替える非常に基本的な操作です。本章では、NumPyを使って配列を転置する方法について解説します。


転置とは?

転置行列とは、元の行列のi行j列の要素をj行i列の要素として配置した新しい行列のことです。例えば、次の行列を転置すると以下のようになります:

転置の例

転置前:

[[1, 2, 3],
 [4, 5, 6]]

転置後:

[[1, 4],
 [2, 5],
 [3, 6]]

NumPyを使用すれば、この操作を簡単に実現できます。


配列を転置する方法

NumPyでは、以下の3つの方法で配列を転置することができます:

  1. numpy.transpose()関数
  2. .transpose()メソッド
  3. .Tプロパティ

これらの構文は基本的に同じ動作をしますが、それぞれの書き方に応じたメリットがあります。また、transpose()では引数を使用して特定の軸を入れ替えることも可能です。


【実践例】転置の基本操作

以下のコードで転置の基本操作を確認しましょう。

import numpy as np

# 配列の生成
arr = np.array([[1, 2, 3], 
                [4, 5, 6]])

# 方法1: numpy.transpose()
arr_transpose1 = np.transpose(arr)

# 方法2: .transpose()
arr_transpose2 = arr.transpose()

# 方法3: .T
arr_transpose3 = arr.T

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\n方法1: numpy.transpose()で転置")
print(arr_transpose1)
print("\n方法2: .transpose()メソッドで転置")
print(arr_transpose2)
print("\n方法3: .Tプロパティで転置")
print(arr_transpose3)

実行結果

元の配列:
[[1 2 3]
 [4 5 6]]

方法1: numpy.transpose()で転置
[[1 4]
 [2 5]
 [3 6]]

方法2: .transpose()メソッドで転置
[[1 4]
 [2 5]
 [3 6]]

方法3: .Tプロパティで転置
[[1 4]
 [2 5]
 [3 6]]

引数axesを使った柔軟な転置

通常の転置は2次元配列の行列を反転させるだけですが、多次元配列の場合は、特定の軸を入れ替える柔軟な操作も可能です。このときは、numpy.transpose().transpose()メソッドで**引数axes**を指定します。

【例】多次元配列での転置操作

import numpy as np

# 形状 (2, 3, 4) の3次元配列を生成
arr = np.ones((2, 3, 4))

# 通常の転置 (axesを指定しない場合)
arr_transpose_default = np.transpose(arr)

# 引数axesを使用して特定の軸を入れ替え
arr_transpose_axes = np.transpose(arr, axes=(1, 0, 2))

# 結果の表示
print("元の形状:", arr.shape)
print("通常の転置 (デフォルト):", arr_transpose_default.shape)
print("axes指定で転置:", arr_transpose_axes.shape)

実行結果

元の形状: (2, 3, 4)
通常の転置 (デフォルト): (4, 3, 2)
axes指定で転置: (3, 2, 4)

【実践課題】転置を実際に試してみよう

以下の課題に挑戦してみましょう。

  1. 乱数(0~100の範囲の整数)を使用して2行3列の配列を生成してください。
  2. numpy.transpose()関数を使ってその配列を転置し、結果を確認してください。
  3. .Tプロパティを使って同じ配列を転置し、結果を確認してください。
解答例
import numpy as np

# 配列を生成
np.random.seed(0)
arr = np.random.randint(0, 101, (2, 3))

# 転置操作
arr_transpose1 = np.transpose(arr)
arr_transpose2 = arr.T

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\n転置 (numpy.transpose):")
print(arr_transpose1)
print("\n転置 (.Tプロパティ):")
print(arr_transpose2)

実行結果

元の配列:
[[44 47 64]
 [67 67  9]]

転置 (numpy.transpose):
[[44 67]
 [47 67]
 [64  9]]

転置 (.Tプロパティ):
[[44 67]
 [47 67]
 [64  9]]

転置を使う場面

  • データの列と行を入れ替えたい場合。
  • 線形代数の計算(行列積、逆行列の計算など)を行う際。
  • 軸を柔軟に操作したい場合(多次元配列の操作)。

配列の変形(2): 平坦化

配列の平坦化(Flattening)とは、多次元配列を1次元配列(ベクトル)に変換する操作を指します。これにより、配列の要素をすべて1行に並べた形にできます。平坦化は、データ処理やモデルにデータを入力する際などに頻繁に使用されます。


配列を平坦化する方法

NumPyでは、以下の2つの方法を使用して配列を平坦化できます:

  1. ravel()メソッド
  2. flatten()メソッド

これらの違いについても確認していきましょう。


【実践例】配列を平坦化する

まず、平坦化の基本操作を見ていきます。

import numpy as np

# 配列の生成
arr = np.array([[1, 2, 3], 
                [4, 5, 6]])

# ravel()メソッドを使った平坦化
arr_ravel = arr.ravel()

# flatten()メソッドを使った平坦化
arr_flatten = arr.flatten()

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\nravel()で平坦化した配列:")
print(arr_ravel)
print("\nflatten()で平坦化した配列:")
print(arr_flatten)

実行結果

元の配列:
[[1 2 3]
 [4 5 6]]

ravel()で平坦化した配列:
[1 2 3 4 5 6]

flatten()で平坦化した配列:
[1 2 3 4 5 6]

ravel()flatten()の違い

  • ravel()
    • 元の配列と同じデータを共有します。そのため、平坦化後の配列を変更すると、元の配列にも変更が反映されます。
    • メモリ効率が良い。
  • flatten()
    • 元の配列のデータをコピーして新しい配列を作成します。そのため、平坦化後の配列を変更しても、元の配列には影響しません。

【実践例】違いを確認する

以下のコードで、ravel()flatten()の違いを確認してみましょう。

import numpy as np

# 配列の生成
arr = np.array([[1, 2, 3], 
                [4, 5, 6]])

# ravel()で平坦化した配列
arr_ravel = arr.ravel()
arr_ravel[0] = 10  # ravel()で平坦化した配列の要素を変更

# flatten()で平坦化した配列
arr_flatten = arr.flatten()
arr_flatten[0] = 20  # flatten()で平坦化した配列の要素を変更

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\nravel()で平坦化した配列:")
print(arr_ravel)
print("\nflatten()で平坦化した配列:")
print(arr_flatten)

実行結果

元の配列:
[[10  2  3]
 [ 4  5  6]]

ravel()で平坦化した配列:
[10  2  3  4  5  6]

flatten()で平坦化した配列:
[20  2  3  4  5  6]

解説:

  • ravel()で生成された配列を変更したことで、元の配列にも影響が及びました。
  • 一方、flatten()で生成された配列を変更しても、元の配列には影響しませんでした。

【実践課題】平坦化を試してみよう

以下の課題に挑戦してみましょう。

  1. 乱数(0~100の範囲の整数)を使用して、2行3列の配列を生成してください。
  2. ravel()を使って配列を平坦化し、その内容を確認してください。
  3. flatten()を使って配列を平坦化し、その内容を確認してください。
  4. 平坦化後の配列を変更し、元の配列への影響を確認してください。
解答例
import numpy as np

# 配列を生成
np.random.seed(0)
arr = np.random.randint(0, 101, (2, 3))

# ravel()で平坦化
arr_ravel = arr.ravel()
arr_ravel[0] = 999  # ravelで平坦化した配列を変更

# flatten()で平坦化
arr_flatten = arr.flatten()
arr_flatten[0] = 888  # flattenで平坦化した配列を変更

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\nravel()で平坦化した配列:")
print(arr_ravel)
print("\nflatten()で平坦化した配列:")
print(arr_flatten)

実行結果

元の配列:
[[999  47  64]
 [ 67  67   9]]

ravel()で平坦化した配列:
[999  47  64  67  67   9]

flatten()で平坦化した配列:
[888  47  64  67  67   9]

平坦化を使う場面

  • データ処理:多次元配列のデータを1次元の形で操作したい場合。
  • 機械学習:モデルにデータを入力する際に1次元配列に変換する必要がある場合。
  • 統計分析:配列全体の平均や標準偏差などを計算する場合に便利。

配列の変形(3): 万能な変形

配列の変形は、データの形状を自在に変更して柔軟に扱うために重要な操作です。NumPyでは、reshape関数やresize関数を使用することで、多次元配列をさまざまな形状に変形することができます。本章では、それらの操作方法と違いについて解説します。


配列の変形方法

NumPyでは、以下の2つの方法で配列を変形できます:

  1. reshape関数
    元の配列の要素数を維持したまま、指定した形状に変形します。元の配列のデータは変更されません。
  2. resize関数
    元の配列を指定した形状に変更しますが、要素数を自由に増減できます。要素数が足りない場合はデータを繰り返し使用し、余った場合は切り捨てられます。

【実践例】基本的な変形操作

以下のコードで、reshaperesizeの基本的な使い方を確認しましょう。

import numpy as np

# 配列の生成
arr = np.array([1, 2, 3, 4, 5, 6])

# reshapeで変形
arr_reshape = np.reshape(arr, (2, 3))

# resizeで変形
arr_resize = np.resize(arr, (2, 4))

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\nreshapeで変形 (2行3列):")
print(arr_reshape)
print("\nresizeで変形 (2行4列):")
print(arr_resize)

実行結果

元の配列:
[1 2 3 4 5 6]

reshapeで変形 (2行3列):
[[1 2 3]
 [4 5 6]]

resizeで変形 (2行4列):
[[1 2 3 4]
 [5 6 1 2]]

解説:

  • **reshape**は元のデータをそのまま使用し、指定した形状に整列します。要素数を変えることはできません。
  • **resize**は指定された形状にデータを適応させます。要素数が不足すると、元のデータが繰り返されます。

【重要】reshapeの制約

reshapeでは、元の配列の要素数と指定する形状の要素数が一致している必要があります。たとえば、6個の要素を持つ配列を (3, 3) に変形しようとするとエラーになります。

import numpy as np

# 配列の生成
arr = np.array([1, 2, 3, 4, 5, 6])

# 要素数が一致しない形状に変形しようとするとエラー
arr_invalid = np.reshape(arr, (3, 3))  # 6個の要素を3×3にするのは無理

実行結果

ValueError: cannot reshape array of size 6 into shape (3,3)

【実践例】要素数を変更する場合

resizeでは要素数を自由に変更できます。以下のコードで動作を確認してみましょう。

import numpy as np

# 配列の生成
arr = np.array([1, 2, 3, 4, 5, 6])

# 要素数を減らす (2行2列に変形)
arr_resize_small = np.resize(arr, (2, 2))

# 要素数を増やす (4行3列に変形)
arr_resize_large = np.resize(arr, (4, 3))

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\nresizeで要素数を減らす (2行2列):")
print(arr_resize_small)
print("\nresizeで要素数を増やす (4行3列):")
print(arr_resize_large)

実行結果

元の配列:
[1 2 3 4 5 6]

resizeで要素数を減らす (2行2列):
[[1 2]
 [3 4]]

resizeで要素数を増やす (4行3列):
[[1 2 3]
 [4 5 6]
 [1 2 3]
 [4 5 6]]

解説:

  • 要素数を減らす場合、余ったデータが切り捨てられます。
  • 要素数を増やす場合、元のデータが繰り返されて補完されます。

【実践課題】万能な変形を試してみよう

以下の課題に挑戦してみましょう。

  1. 乱数(0~100の範囲の整数)を使用して、2行3列の配列を生成してください。
  2. reshapeを使って配列を3行2列に変形してください。
  3. resizeを使って配列を4行5列に変形してください。
解答例
import numpy as np

# 配列の生成
np.random.seed(0)
arr = np.random.randint(0, 101, (2, 3))

# reshapeで形状を変更 (3行2列)
arr_reshape = np.reshape(arr, (3, 2))

# resizeで形状を変更 (4行5列)
arr_resize = np.resize(arr, (4, 5))

# 結果の表示
print("元の配列:")
print(arr)
print("\nreshapeで変形 (3行2列):")
print(arr_reshape)
print("\nresizeで変形 (4行5列):")
print(arr_resize)

実行結果

元の配列:
[[44 47 64]
 [67 67  9]]

reshapeで変形 (3行2列):
[[44 47]
 [64 67]
 [67  9]]

resizeで変形 (4行5列):
[[44 47 64 67 67]
 [ 9 44 47 64 67]
 [67  9 44 47 64]
 [67 67  9 44 47]]

使い分けのポイント

  • reshapeを使う場面:
    • 元の要素数を維持したまま、形状を変更したい場合。
    • 必要な形状が元のデータの整列性を保っている場合。
  • resizeを使う場面:
    • 元の要素数を気にせず、柔軟に形状を変更したい場合。
    • 足りない要素を補完したり、余分な要素を切り捨てても良い場合。

まとめ

今回の記事では、NumPyを使った配列のさまざまな操作方法について学びました。具体的には、以下のトピックを取り上げました:


学んだ内容の振り返り

1. NumPy配列のデータ型操作

  • NumPy配列のデータ型を確認する方法(dtype)。
  • 配列のデータ型を変更する方法(astype)。
  • データ型の変更時に情報が失われる可能性について。

2. 配列を複製する方法

  • 参照渡し(代入)とview()copy()の違い。
  • 参照渡しview()では元の配列とデータを共有するが、copy()では独立したコピーが作成される。

3. 配列の変形(1): 転置

  • 転置の基本的な方法:numpy.transpose().transpose().T
  • 多次元配列においてaxes引数を使った柔軟な転置。

4. 配列の変形(2): 平坦化

  • 配列を1次元に変形する方法:ravel()flatten()
  • **ravel()では元の配列とデータを共有し、flatten()**では独立した配列を作成。

5. 配列の変形(3): 万能な変形

  • **reshape**を使用して元の要素数を維持しながら形状を変更する方法。
  • **resize**を使用して要素数を増減させながら形状を変更する方法。
  • それぞれの特性や制約を理解して使い分ける重要性。

NumPy配列操作の重要性

NumPy配列は、大量のデータを効率的に扱うための基本的なツールです。今回学んだ操作を習得することで、次のような利点が得られます:

  • 柔軟なデータ操作:データ型や形状を自在に変えることで、複雑なデータ処理に対応できるようになります。
  • コードの可読性と簡潔さ:NumPyのメソッドを使うことで、冗長なコードを書くことなく簡潔に操作を実現できます。
  • 高速な計算:NumPy配列を使うことで、リストに比べてはるかに高速な計算を実現できます。

今後のステップ

NumPyの基本操作を学んだことで、次のステップに進む準備が整いました。以下のようなトピックに挑戦してみると良いでしょう:

  1. 線形代数の応用
    • 行列の積、逆行列、固有値計算など。
  2. NumPyを使ったデータ分析
    • 配列全体の統計量の計算や、条件に基づくフィルタリング。
  3. PandasやMatplotlibとの連携
    • NumPyをデータ分析ライブラリ(Pandas)や可視化ライブラリ(Matplotlib)と組み合わせて使う。

終わりに

この記事を通じて、NumPyの配列操作における基礎的な知識を深めることができたかと思います。NumPyの多彩な機能を活用することで、データ処理の幅がさらに広がります。ぜひ実際のコードを書いて練習し、NumPyの力を引き出してみてください!

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