どうもにこいちです。
「あれ、今日は右手でスプーンを持ってる。上手だね!」
そう思った次の瞬間、疲れてきたのか、ひょいと左手に持ち替えて食べ始める。
わが家の4歳の次男は、そんな器用な両手使いです。
あなたのお子さんにも、こんな風に「利き手がなかなか定まらないな」と感じる瞬間はありませんか?
「周りの子はとっくに決まっているのに、うちの子は大丈夫?」
「もしかして、発達に何か関係があるのかな?」
「左利きだと、将来不便なことが多いって聞くし…」
モヤモヤした気持ち、すごく分かります。
わが家もまさに同じことで少しだけ頭を悩ませていました。ですが、私の結論は「焦って決める必要は全くない!むしろ、その個性を面白がろう!」です。
この記事では、わが家のリアルな体験談をたっぷり交えながら、こどもの利き手に関する専門的な情報を分かりやすく解説します。

当サイトでは、こども家庭庁の考え方にならい、すべてのこどもの多様な個性を尊重するという想いを込めて、ひらがなで「こども」と表記しています。
読み終える頃には、利き手に対するあなたの不安は「うちの子、もしかしてすごいかも!」というワクワクに変わっているはずです。
【わが家のリアル体験談】右手と左手をめぐる4歳息子の冒険
「一体、どっちが君の本当の“利き手”なんだい?」
そう問いかけたくなる、わが家の次男の面白い「両手使い」エピソードを少しだけ紹介させてください。
お絵かきでは、役割分担?
ある日、お絵かきをしている息子をのぞき込むと、驚きの光景が。
なんと、右手で綺麗な丸を描いたかと思うと、定規で直線を引くときは左手を使っているのです。



え、すごくない? 右手は曲線担当で、左手は直線担当なの?
まるで脳の中で、それぞれの手に違う役割を与えているかのようです。
ボール投げは、ちぐはぐフォームが可愛い
公園でのボール投げも、見ていて飽きません。
- 右手で投げる → コントロールは良い!でも、なぜか足のステップがぎこちない。
- 左手で投げる → 足の運びはスムーズ!でも、ボールはあさっての方向へ…。



どっちのフォームも可愛くて、思わず動画を撮っちゃいました(笑)
変化のきざしは「お箸」から
そんな息子ですが、4歳になり、お箸の練習を始めた頃から少しずつ変化が見られました。
スプーンやフォークの時は気分で持ち替えていましたが、お箸という少し精密な動作が求められる場面では、右手の使用頻度がぐっと増えてきたのです。
こどもの利き手は、こうした日常の小さなきっかけで、少しずつ定まっていくのかもしれません。
なぜ?どうして?専門家が答える「利き手が決まらない」のメカニズム
では、そもそもなぜ利き手はすぐに決まらないのでしょうか。専門的な視点から見ると、これには明確な理由があります。
① 脳が“最適化”の真っ最中だから
人間の体の右半身は左脳(論理・言語)、左半身は右脳(感覚・創造性)がコントロールしています。
幼児期のこどもの脳は、この左右の機能がまだ完全に分かれていません。脳全体を使って、活動ごとに「どっちの手を使うのが一番効率的か」を一生懸命テストしている、まさに脳の最適化期間なのです。



利き手が定まらないのは、脳がサボっているのではなく、むしろ活発に働いている証拠?
② 「クロスドミナンス」という才能あふれる個性
わが家の息子のよう用途によって使いやすい手が違うことを、専門的には「クロスドミナンス(交差利き)」と呼びます。
これは欠点などではなく、脳の異なる領域を柔軟に使いこなしている証とも言えます。
行動 | 使う手 | 使っている脳(主な領域) |
---|---|---|
文字を書く | 右手 | 左脳(言語) |
ボールを投げる | 左手 | 右脳(空間認識) |
ハサミを使う | 右手 | 左脳(精密動作) |
このように、活動に応じて脳をスイッチングできる、非常に器用なタイプなのです。
③ 遺伝の影響は25%程度
オックスフォード大学の研究によると、利き手に対する遺伝の影響は約25%とされています。
つまり、残りの75%は胎内環境や出生後の経験など、遺伝以外の要因で決まります。両親が右利きでも左利きのこどもが生まれるのは、ごく自然なことなのです。
利き手で悩んだら。親がすべきでない事、すべき事
一般的に利き手は4歳~6歳頃までに定まってくると言われますが、個人差が大きいものです。
この大切な時期に、親が焦るのは禁物。親がすべきでない事、そして、してあげられる事をご紹介します。
【すべきでない事】無理な矯正
「左利きだと不便だから」という理由での矯正は、こどものストレスになる可能性があり、おすすめできません。
生まれ持った使いやすい手を否定されると、脳が混乱し、自信を失う原因にもなりかねません。
今は、左利きフレンドリーな社会です。素敵な左利き用の文房具もたくさんありますよ。
【すべき事】こどもの選択を面白がり、環境を整える
スプーンやクレヨンを渡すとき、利き手を決めつけず、体の真ん中にそっと置いてみましょう。こどもが自然に手を伸ばした方を観察するのです。
「今日はこっちの手なんだね!」「両方使えるなんてすごいね!」
結果を評価するのではなく、過程を面白がり、ポジティブな言葉をかけることが、こどもの自己肯定感を育みます。
また、利き手がどちらになるにせよ、指先を器用に使う能力(巧緻性:こうちせい)を高める遊びは、脳の発達にとても良い影響を与えます。
FAQ | こどもの利き手に関するギモン、すべて解決します
まとめ | 「どっちの手?」という問いから、「この子の手」という信頼へ
こどもの利き手がなかなか決まらないのは、脳がサボっているのではなく、自分にとって最高のパフォーマンスを発揮できる方法を、全身全霊で探している証です。
わが家の次男も、相変わらず右手と左手を巧みに使い分けながら、毎日新しい発見をさせてくれます。その姿を見ていると、「利き手はどっちか」なんて、ちっぽけな問題に思えてきます。
大切なのは、「どっちの手?」と正解を求めるのではなく、「この子の手」がこれからどんな個性的な未来を掴み取っていくのかを信じ、楽しむこと。
あなたの目の前にいるお子さんも、今はまだ、自分の可能性を無限に広げている最中です。その神秘的でクリエイティブな時間を、ぜひ温かい目で見守ってあげてください。
この記事が、あなたの心の中にある小さな不安を、お子さんへの大きなワクワクに変えるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたのこどもの面白い利き手エピソードも、ぜひコメントで教えてくださいね!
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