2025年10月15日、埼玉県鶴ヶ島市の若葉ナーシングホームで入所女性2名が死亡しました。警察は元施設職員の22歳男性を殺人容疑で逮捕し、容疑者は関与を認める趣旨の供述をしていると報じられています。事件は未明〜早朝に発生し、4階と5階の個室ベッド上で倒れている入所者が発見されたと複数メディアが伝えています。([TBS NEWS DIG][1])
本稿は、憶測を避け一次報道の範囲で事実を整理しつつ、訪問看護ステーション勤務の理学療法士の視点から、家族と地域のケアチーム(訪問看護・訪問リハ・主治医・ケアマネ)が“今日からできる実践”にフォーカスしてまとめます。
事件の要点(時系列ダイジェスト)
- 10/15 未明〜早朝:施設内で高齢女性2名が各階の個室ベッド上で出血状態で発見。通報・搬送されるも死亡確認。([毎日新聞][2])
- 同日午前:現場から約250mの場所で元職員の男性が確保、その後殺人容疑で逮捕。([FNNプライムオンライン][3])
- 立地補足:施設は東武東上線・若葉駅から約300mの住宅地に位置するとの報道。([Adnkronos English][4])
進行中の捜査により、事実は更新され得ます。最新は上記一次報道をご確認ください。([TBS NEWS DIG][1])
事実と未確定事項を仕分ける
事実(報道で一致)
- 女性入所者2名が施設内で出血状態で発見・死亡。([毎日新聞][2])
- 元職員(22歳)を殺人容疑で逮捕、供述あり。([TBS NEWS DIG][1])
未確定(現時点で断定不可)
- 動機、犯行の詳細な手口、施設の内規運用の個別実態、責任分界点 → 公式発表待ち
訪問看護ステーションのPT目線:論点と“今できる備え”
理学療法士は転倒・外傷予防や行動観察、環境調整を日常的に担います。今回のような突発的・第三者要因の外傷は施設の危機管理領域ですが、家族・地域ケア側にもできる“周辺の備え”があります。
1) 夜間帯の異常検知を多層化する
家族が施設に依頼できる確認項目(文書化推奨)
- 夜間巡視頻度/ナースコール応答指標(平均・最大)
- カメラ運用方針(録画の有無・保存期間・死角対策)
- 外部出入口/フロア出入口の入退室ログ
- 非常連絡フロー(警察・救急・家族)
地域ケア側:訪問看護・訪問リハの翌訪問時に“家族の不安ポイント”を聴取し、必要ならケアカンファに議題化。
2) 本人の“行動変化”を見える化する
PTの観点:
- バイタルだけでなく睡眠質・夜間覚醒、徘徊/不穏の兆候、服薬後の反応を共有ノートで継続記録。
- 行動パターンの変化(急な傾眠・拒否・多動)はリスク上昇サインとして主治医・看護へ早期共有。
家族の役割:面会後の所感(表情・会話量・食事量・皮下出血の有無)を月次レポートで残す。
3) “逃げ道”の用意(心理的セーフティ)
- 予期せぬ事件報道で家族の不安が高まるのは自然。
- ACP(人生会議)の再確認:家族連絡網、主治医・訪看ステーション、夜間の一次連絡先を再共有。
- 短期的な選択肢(一時帰宅/短期入所先の候補/在宅受け入れ時の訪問体制)を紙で一枚にまとめておく。
家族と地域ケアチームが“今日からできる9の実践”
- 施設へ安全対策の現状説明を依頼(上記4点)。
- 臨時面談を要請し、夜間体制と非常時フローを家族同席で再確認。
- 訪問看護の次回来訪で、睡眠・不穏・転倒兆候の観察強化を依頼。
- 皮膚・四肢の観察(打撲痕・裂創)を入浴日前後で固定的にチェック。
- 服薬状況と鎮静系薬の影響を主治医・看護とレビュー。
- 夜間覚醒要因(痛み・排泄・環境音・照度)をPT/OT/Nsで環境調整。
- 面会時間のバラし(平日夕方や早朝など)で“実環境”を複数視点で把握。
- ACP用 連絡先シートを最新化(QR化も可)。
- 不安が強い場合は地域包括支援センターへ相談し、第三者視点の助言を得る。
よくある質問(家族の不安に答えるQ&A)
Q1:入居家族の安全は大丈夫?何を確認すれば?
A:夜間体制・入退室ログ・カメラ運用・非常時フローの4点を文書で再確認。必要なら臨時面談を。報道上も警察による捜査・体制強化が進んでいます。([TBS NEWS DIG][1])
Q2:転居や一時帰宅は今すぐ決めるべき?
A:まずは現状把握と臨時面談。短期の安心確保策(面会頻度UP・見守り強化依頼)を講じつつ、代替案(短期入所/在宅+訪問体制)を紙1枚に整理。
Q3:情報が錯綜していて、何を信じれば?
A:一次報道(TV局の社会面)で日時・場所・逮捕・供述など事実の核を確認しましょう。SNSの憶測は避け、公式続報でアップデート。([テレ朝NEWS][5])
まとめ・次のステップ
- 若葉ナーシングホーム事件は、元職員逮捕という重大事案(捜査継続中)。事実は一次報道で確認し、憶測を避ける。([TBS NEWS DIG][1])
- 家族と地域ケアが“今日からできる”のは、夜間体制の見える化と行動変化の継続観察、連絡網の再整備。
- 実行順:①臨時面談依頼 → ②文書で4点確認 → ③面会・観察強化 → ④ACP更新 → ⑤必要に応じ代替案の検討。

参照(一次報道・基礎情報)
- TBS NEWS DIG:「刃物で刺して殺した」元職員の22歳男を逮捕(2025/10/15)。([TBS NEWS DIG][1])
- テレビ朝日系:2人死亡→元職員逮捕の速報、当日更新。([テレ朝NEWS][6])
- 毎日新聞:4階・5階個室ベッド上で発見などの状況報道。([毎日新聞][2])
コメント