夕方に近づくほど首の付け根が重い、肩がすくむ、鎖骨上を無意識に押してしまう——このセットの正体は「前方頭位 × 浅い胸式呼吸」。働き過ぎの僧帽筋上部と、出番が少ない僧帽筋中・下部&前鋸筋のアンバランスが背景です。筋トレ不足より“使い方の偏り”を整えるのが先。
目次
3行で原因
- 頭が前へ→後頸部&僧帽筋上部に持続ストレス
- マウス・キー操作で肩が微妙に挙上→上部ばかりON
- 浅い胸式呼吸→斜角筋が“呼吸の代役”になり鎖骨上が張る
ゴール(固めない整え方)
- 上を休ませる:僧帽筋上部の出番を減らす
- 下を育てる:僧帽筋中・下部+前鋸筋を呼び戻す(下制+後傾)
- 呼吸を戻す:横隔膜主導に切替え、斜角筋の代役を降ろす
いま机でできる30秒チェック
- 深呼吸3回:肩が上下→斜角筋代償あり
- 横写真:耳が肩より前→前方頭位
- 鎖骨上を軽く押す:痛だるい→過緊張サイン
最小ルーチン(1分/3分/5分)
- 1分(会議前):Wポジション10秒×3+肩甲骨下げ呼吸10呼吸
- 3分(昼):W10秒×5→前鋸筋プッシュ12回→Yレイズ8回
- 5分(帰宅後):壁天使10回→セラバンドW10回×2→横隔膜呼吸2分
実践:3つだけ覚えればOK
① Wポジション(中・下部の“呼び戻し”)
- 胸は前でなく上へ、顎軽く引く
- 肘を後ろへ引き「W」を作る→肩はすくめない
- 肩甲骨の上縁を1mm後ろへ倒し、下角を「ポケットへ」(=下制+後傾)で5–10秒
回数:5–10秒×5回→慣れたらバンド10回×2–3。
NG:胸を前に突き出す/下制だけで首が縮む。
② 前鋸筋プッシュ(四つ這い)
- 肘伸ばし、肩甲骨だけを前へ押し出す→戻す
- 胸は落とさず、耳と肩の距離を保つ
- 12回×2セット
③ 肩甲骨下げ呼吸(下制+後傾とリンク)
- 座位で上縁を1mm後傾→下角ポケット
- 鼻3秒/口すぼめ6秒(吸:吐=1:2)を10呼吸
- 吐きながら後傾をそっと増やす(押し下げはしない)
胸椎ファースト(首を触る前に)

- 椅子で胸椎伸展:背もたれを支点に8回×2(腰は反らさない)
- 壁天使:Wで当てて上下10回(肘・手背を壁に寄せ、肩はすくめない)
デスクの“数値”設定(迷わない)
- モニタ上端=目線同等〜やや下/中心=水平から15–20°下
- 視距離50–70cm/肘角度90–120°で前腕支持
- マウスは体幹正面寄り、ノート直置きは外付けKB+スタンド
安全メモ&中止目安
- 斜角筋ストレッチでしびれ・冷感・色調変化→即中止
- 翌日痛NRS≧4/10→回数・可動を半分に
- 困ったら胸椎→肩甲帯→呼吸の順に戻す
進捗の見える化(週1でOK)
- 耳—肩峰距離の左右差が縮む
- 壁立位の顎引き保持:15→30→45秒
- 鎖骨上の上下が“ほぼ動かない”へ
合言葉は「胸は上へ」「上縁1mm後傾」「しっぽをポケット」。 固めず、崩れたら短時間で戻す——この設計が、夕方のズーン感を着実に減らします。

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