やりたいことは山ほどあるのに、気づけば1日が終わっている。時間術の本を買う前に、どんな内容で自分に合うのかを知りたい方に向けて、この記事を書きました。
私が読んだ『ムダがなくなり、すべてがうまくいく 本当の時間術』の中から、試しやすい3つの手法を取り上げます。向く人・向かない人と、微妙な点もあわせて整理しました。
「やることは多いのに終わらない」の正体
私は子ども3人の親で、職場ではDX推進担当をしています。理学療法士としては10年目です。子ども3人の親と、職場のDX推進担当という立場から、この記事を書いています。
タスクが多くて終わらないという悩みの奥には、もう1つ困りごとがあります。仕事が終わっても「やった感」が残らず、家族と過ごす時間に回す余力まで減っていることです。
原因は、タスクの量だけではないと私は考えています。時間が足りないのではなく、「何からやるか」を毎回決めることで消耗している面があるからです。
もう1つの原因は中断です。通知でいったん手が止まると、元の作業に戻るまでに時間がかかります。1日に何度も中断されれば、そのたびに戻る時間が積み重なっていきます。
この2つは、作業の時間を長く取っても残る困りごとです。そこで、毎回の判断と中断の扱い方を先に決めておくやり方が役に立ちます。
時間は使えばなくなるコストではなく、何に投じるかを選ぶ資源です。そう考えると、限られた時間で何を先にやるかを決めやすくなります。
『本当の時間術』はどんな本か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | ムダがなくなり、すべてがうまくいく 本当の時間術 |
| 副題 | 世界中の研究から導き出したタイムマネジメントの結論36 |
| 著者 | 望月俊孝 |
| 発行元 | すばる舎 |
| 刊行 | 2024年10月 |
| ISBN | 978-4-7991-1261-8 |
| 扱う手法 | Ivy Lee Method、IF-THEN計画、中間期限、朝の習慣など |
本書は、時間の使い方を見直す手法をいくつも集めた本です。1日の優先順位の決め方から、長い仕事の期限の置き方、朝の過ごし方までを扱っています。
向く人・向かない人
向くのは、やることの優先順位づけで毎日迷う人です。手法が多いので、自分に合う1つを選んで試す読み方に合います。向かないのは、書かれていることを一気に全部実践したい人です。章立てが多く、初めて時間術の本を読む人は、どこから手をつけるか迷いやすい構成になっています。
この記事で紹介するのは、本書の手法の中から選んだ、1日単位で試しやすい3つです。
ほかの時間術の本との違い
本書の特徴は、1日の優先順位、行動のきっかけ、長い仕事の期限、朝の習慣と、複数の手法を1冊に集めている点です。
『エッセンシャル思考』やGTDの本などと比べて選ぶときは、自分の悩みに当たる章があるかを目次で見比べる方法があります。どの本が合うかは、読む人の悩みによって変わります。
試しやすい3つの手法
ここで紹介する手法の効果は、人や仕事の内容によって違います。研究の数字は原典を確認できていないため、この記事には載せていません。
Ivy Lee Method:夜に翌日の最重要タスクを書き出す
Ivy Lee Methodは、100年以上前から伝わる優先順位のつけ方です。コンサルタントのアイビー・リーが、経営者のチャールズ・シュワブに伝えた方法として知られています。本書では、書き出すタスクを4つまでに絞ることを勧めています。
1日の終わりに、翌日やることを4つまで紙に書きます
4つを、重要な順に並べ替えます
翌日は1番目から取りかかり、終わるまで次に移りません
終わらなかったタスクは、その夜に作る翌日のリストに移します
この方法では、朝に「何からやるか」を考えずに始められます。前の晩に順番を決めておくので、毎回の判断を1日1回にまとめられる形です。
IF-THEN計画:「もしAをしたらBをする」と決める形
IF-THEN計画は、「もし〜したら、〜する」という形で、行動のきっかけと中身を先に決めておく方法です。たとえば「午後の会議が終わったら、まずメールを3通返す」のように書いておきます。
中断への備えにも使えます。「通知が来たら、今の作業の区切りまで開かない」と決めておけば、その場で開くかどうか迷う場面は少なくなるはずです。決めた形を紙やメモに残しておくと、中断から戻るときの手がかりにもなります。
中間期限と、見える場所に置く工夫
締め切りが先の仕事は、ぎりぎりまで手がつかないことがあります。本書で紹介されているのは、長い仕事を10〜14日ごとに区切り、中間の期限を置く方法です。
中間の期限と目標は、手帳の最初のページやパソコンの横など、毎日目に入る場所に1行で書いておきます。見るたびに、今どこまで進んでいればよいかを確かめられるためです。
朝の習慣も、本書で扱われているテーマの1つです。理学療法士としては、体を少し動かすような負担の小さいことを1つ決めて始めるのが、続けやすいと考えています。
自分の仕事への当てはめ方と、微妙な点
私は職場でDX推進担当をしていて、仕事とは別に、Claude Code、Discord、Obsidianで自律型AIの仕組みを作っています。
ここからは、3つの手法を私の仕事と家庭に当てはめるならどうするか、という案です。
仕事では、Ivy Lee Methodの書き出しを終業前の5分に入れる形が考えやすいと思っています。チャットの通知にはIF-THEN計画を使い、「通知が来たら、今のタスクが終わるまでメモに書いておく」と決めておく案です。自律型AIの仕組みづくりのように長くかかる作業には、中間の期限を1つ置きます。
頭の中にあるタスクを外に書き出す話は、こちらの記事にまとめました。

子ども3人の家庭で欲しいのは、仕事を家に持ち帰らないための区切りです。Ivy Lee Methodの4つ目のステップ「持ち越す」を終業前にやると、残った仕事を翌日のリストに移した時点で、その日の仕事を閉じる区切りになります。
一方で、本書の構成や手法には微妙な点もあります。まず、手法が多く、全部を同時に続けるのは難しいところです。読みながら全部を試そうとすると、1つずつの手法が身につく前に次へ移ることになります。
次に気になるのは、4つに絞っても、中断が多い日は夕方までに終わらない場合があることです。持ち越しのステップはありますが、毎日持ち越しが続くと、書き出しても予定どおりに進まない日が増えてしまいます。
最後に、仕事の進め方によっては合わない人もいます。急な対応が中心の仕事では、前の晩に決めた順番どおりに進めにくいからです。
よくある質問と、今日からの3ステップ
4つを超えるときは?
4つを超えたタスクは翌日以降に回すか、似たタスクをまとめて1つにできないかを考えます。4つという数は、その日に集中する範囲を決めるための目安です。
IF-THENをチームで使うには?
チームで共有するタスクについて、「誰が、いつ、何をきっかけに、何をするか」をIF-THENの形で書き、チャットで共有する方法があります。役割の分担が文字で残るので、お互いに確認しやすくなります。
続かないときは?
一度に全部やろうとせず、いちばん簡単な1つだけを選んで続ける形がおすすめです。それが続いたら、すでにある習慣の後に次の1つをつなげていきます。この積み重ね方は、ハビットスタッキングと呼ばれています。
まとめとして、今日から始められる3つのステップです。
今夜、明日やることを4つまで書き、重要な順に並べます
締め切りが先の仕事に、中間の期限を1つ入れます
中間の期限と目標を、毎日見る場所に1行で書きます
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